Ubuntu MATE(ウブンツマテ・ウブントゥマテ)は、Linuxカーネルを用いたオペーレーティングシステム(Linuxディストリビューション)のひとつ。利用者の多いLinuxディストリビューション「Ubuntu」をベースにMATEデスクトップ環境を採用。Ubuntuと正式提携している「Ubuntuフレーバー」なのでサポートやアップグレードなど安心感があります。
※※※ 以下は Ubuntu MATE 18.04LTS(Bionic) の内容 ※※※
Ubuntu18.04LTSをベースにデスクトップ環境にGTK3.22ベースのMATE1.20.1を採用するなど独自改良されています。2018年04月26日にリリースされサポート期間は3年間です
ハードウェア要求
最小 | 推奨 | |
CPU | Pentium M1.0GHz | Core2Duo 1.6GHz |
RAM | 1GB | 3GB |
HDD | 9GB | 16GB |
Ubuntu Mate 18.04 64bitのインストールディスクをダウンロードする内容です。
1.Ubuntu Mate公式サイトにアクセスし上部の「Download」を選びます。
2.「64-bit」を選びます。
3.「18.04LTS(Bionic)」を選びます。
4.「uubuntu-mate-18.04-desktop-amd64.iso」を選ぶとダウンロードが開始します。(1.86GiB/2.01GB)
5.ダウンロードしたファイルをDVD-Rに書き込んで下さい(書き込み方法はDVDやPCの説明書をご確認下さい、ダウンロードしたisoファイルはDVDのディスクイメージファイルとして書き込んで下さいファイル形式で書き込んでも使えません)
インストール手順はUbuntuとほぼ同じ(※)なのでUbuntu 18.04 LTS のインストール手順を確認して下さい。・・・Ubuntuのインストール手順を表示
【インストール】インストーラーはUbuntuとほぼ共通しており、日本語表示で内容もわかりやすいので難しい点はありませんでした。HDDは通常インストール+サードパーティ製ソフト+アップデート+スワップを含め約5.96GiB(6.41GB)使用。インストール直後から日本語表示・日本語入力が可能です。
【起動時間】CPU2コア+RAM2GB環境でBIOS(UEFI)終了後からログイン画面まで約1分4秒でログイン後に35秒ほど待ち時間があるので1分39秒です。同じ環境でWindows10を起動すると1分35秒(65+30秒)なので少し遅いです。
【デスクトップ】デスクトップ環境はGNOME2を基にしたMATEを採用、外観はタスクバー(パネル)が上下に分かれているのが特徴的、上側にはメニューボタン・ランチャ・タスクトレイ、下側にはタスク切替・仮想デスクトップ切替になっている。Windowsユーザー目線だと分割する理由が感じられず表示領域が狭いです。ベースのUbuntuもランチャ+パネルの2パネル方式で画面が狭いですが情報表示系と操作系にきっちり役割分担されているのに対しUbuntu MATEはどっちも操作系が含まれているので洗練されてない感じがします。
【メニュー】左上のメニューボタンでメニューウィンドウがポップアップします。動作は左側でカテゴリー選択すると右側にアプリを表示します。カテゴリー選択はオンマウスで切り替わるのでメニューボタンを含め2クリックでアプリを起動できます。
【アプリウィンドウ】標準的な外観と機能のウィンドウです。ウィンドウを画面端にスナップすると自動的に画面の半分や1/4で表示するウィンドウスナップ(エアロスナップ)に対応しています(LiberOfficeなど対応してないアプリもあるようです)。初期テーマでは黒色系のため白いキャンバスと明暗差が大きく目の疲れる感じ、タイトルバーにアプリアイコンは無く、アクティブ・非アクティブウィンドウの違いも明確では無いのでテーマを変更した方が良いと思います。
【アプリ】標準インストールでは次のようなアプリがインストールされます。インターネット・Eメール・文書作成の軽作業ならインストール直後からできます。公式対応アプリは「Software Boutique」からインストールできますが説明文は英語になっています。
ブラウザ | Firefox | メール | Thunderbird | |
---|---|---|---|---|
オフィス | LibreOffice | ドキュメントビュワー | Atril | |
画像ビューア | Eye of MATE | 写真整理 | Shotwell | |
ミュージック | Rhythmbox | メディアプレイヤー | VLC | |
テキストエディタ | Pluma | スキャナ取り込み | simple-scan | |
CD作成 | Brasero | Webカメラ | Cheese | |
MacDock風アプリランチャー | Plank | BitTorrent | Transmission | |
辞書 | MATE辞書(日本語非対応) | 日本語入力 | mozc |
【設定画面】メニュー→設定またはメニュー→コントロールセンターからアクセスできます。コントロールセンターではカテゴリーごとに分類され大きなアイコン表示で目的の設定を探しやすくなっています。また各設定画面も共通性のあるレイアウトで日本語表示なので使いやすいです。
【メモリ】起動して少し待ってから「free -m」コマンドで使用状況を確認すると、メモリ2GB環境の場合で使用量(used)は425MBで利用可能(available)は1GB以上あるので快適に使えます。OS単体でスワップが発生しない下限の1GBで起動した場合は利用可能が395MBなのでメモリ消費の少ないアプリ1個程度ならスワップ無しで利用できます。
【操作感想】CPU2コア・メモリ2GB環境での動作はUbuntuほど重くは無いけど軽くは無いので普通です。フォントやボタン類が大ききくタブレット操作や小さな画面のPCで見やすくなっていますが、その影響と上下パネルにより1画面に表示できる情報量が少ないです。他のLinuxと比較のため表計算LibreOffice Calcを確認すると縦800px環境でUbuntuは31行目・Xubuntuは31.5行目を表示できるのに対しMATEは28.5行目までしか表示できませんでした。その他、私の環境だけかもしれませんが文字入力中に右上のJPアイコンをクリックすると必ずフリーズしました。
【まとめ】
※Linuxディストリビューションでは大手のUbuntuであってもGNOME2→Unity7→GNOME3とデスクトップ環境の大きな変更があるのでその度に操作を覚えたり環境整備しなければなりません。しかしMATEは開発経緯が「デスクトップ環境GNOME3に馴染めないユーザーらがGNOME2を存続させるため」と言う理由からなので、アップデートがあってもGNOME2から大きく外れた変化はしないだろうと言う推測(希望的観測)です。(Windowsも使い慣れた頃にバージョアップして覚えなおしで疲れます)