知人が高圧鉄塔下の土地が安くて購入しようか悩んでいるので調べて見た。
土地の資産価値
・高圧鉄塔や高圧電線の下にある土地の人気は低いようで周囲の相場と比べて安くなっているようです。
・安く買えるのは良い事ですが、いざ自分の物になっても資産価値は低いでしょう。何故かと言うと土地や建物の売買は買い手があってはじめて成立するもので、買い手いなければ実際の資産とは呼べません。不動産屋に行けば10年以上売りに出ている土地も沢山あります。(売れなければ固定資産税を払い続ける必要があります)
家の建築
・鉄塔下では建築制限がある場合があります。その制限で平屋にしなければならない事があります。
・高圧電線付近の工事は、感電を防止するためクレーンの高さ制限や監視員の配置など制限があるため建築費が高くなる可能性がある。
・家の資産価値は、鉄塔の有無にかかわらず建築費が同じだったとしても売る時には周囲の状況が影響しますので、建築費に対する資産価値は下がるのは間違いありません。(上記のように売れない可能性もあります)
健康被害
・健康被害は「ある」「ない」と立場によって意見が分かれていますが、高い買い物をするのですから悪い方の話を聞き許容できるかがどうかで判断すべきです。
・電力会社では国や自社のは安全基準に従って作られていますし動物実験などでは健康被害は確認出来ないとなっていますが将来どうなるかわかりません。(例としてアスベスト被害などは当初は問題無いとされていましたが後に発がん性のリスクが高いとされています)
・「ジリジリ」と放電音が鳴っているので、集中できない眠れないなど音による健康被害もある。(家を防音化にすれば軽減できるが、防音化にかかる費用や外の音が聞こえないリスク(火災などサイレン音)が伴う)
落雷
・高くて電気を通しやすい鉄塔は雷を呼びます。鉄塔自体が避雷針の役目をするので直撃しなくて安心と思いがちですが、鉄塔から近い場合は雷が強いとアースしきれず側撃雷、侵入雷、誘導雷となって被害を出します。直撃雷では無いので人的被害はほぼ無いと思いますが、家電製品(精密機器・通信機器など)が故障しやすくなります。また家電製品は雷による故障はメーカー保証はききませんし修理を断られたり高額な修理代を請求される事があります。
総合的に言えば、
一番良いのは値段が高くても周囲に問題となる物が無い場所に立てるのが一倍良い選択である。しかし安く買え健康被害も許容できるのであれば鉄塔下なども悪くは無い。
一番不味いパターンは「中途半端」に鉄塔・工場などに近い場合で、土地も高く健康被害もあるので土地購入には周囲の状況も考慮した方がよいでしょう。
まあ、知人には奥さんやまだ小さい子供がいるので、止めた方が良いとは思う。