先日インストールした動画フォーマット変換ソフトHandBrakeでH.265の設定による変換時間や画質など比較してのでその結果報告。
テスト環境
・Intel Corei7-4770(3.4GHz)
・メモリ8GB
・ストレージ:SSD
・Windows10 – 64bit
変換元(ソース)映像
デジカメで撮影した動画
・コーデック H.264
・解像度 4K(3840x2160px)
・ビットレート 約100000kbps(100Mbps)
・録画時間 約1分30秒
・ファイルサイズ 約1GB
変換テスト1
まず、変換後の映像品質や変換時間がどうなるかわからないので、とりあえずH.265で圧縮してみる事にする。
変換設定は
・PictureタブはAnamorhic=Sreick/Cropping=Custom 全て0
・Filters タブはすべでOFF
・Video タブはVideoCodec H.265/FPS=Same as source & Variable Framerate/Quality=Avg Bitrate 50000Kbps & 2-Pass/x265 Preset=Veryfast/他 None
単純にソース映像の半分のビットレートとした。理由はH.265はH.264の2倍の圧縮効率(※1)があると言われているので、このビットレートでどの程度の影響が出るか調べるため。(※1:実際に2倍の圧縮効率となるのは無圧縮の映像データから変換した場合の話なので既にH.264で圧縮され情報が失われた映像をH.265で圧縮した場合は2倍の圧縮効率は得られない)
結果は・・・
変換時間は約33分、録画時間の約22倍もかかりとても実用的では無い。
画質は、家には4K対応モニターが無くフルHDにダウンコンバートして目視確認をしたがコントラスト以外の細かい差異はほとんど無かった(ダウンコンバートで差を確認できないだけかも?)。コントラストは変換後に少し低くなったような灰色がかった映像になっていたがソースと見比べなければ気になる事は無く、ソースで白とびしている部分が見えるようになったので一概に悪い事とも言えない。
変換テスト2
4Kモニターが無く正確に比較できないので、フルHDで各ビットレート毎に画質と変換時間を比較・検証する。
(もし4Kで使用するには、解像度がフルHDの4倍になるので、単純計算でビットレートと変換時間を4倍にすれば同等になると思われる。)
※画像は3倍に拡大。
50000kbps/2pass/Veryfast
変換時間11分(録画時間の7.3倍)、4Kからリサイズしてる関係で若干フォーカスが甘くなっているように見えるが、鳥のふさふさした毛並みの感じが伝わってくる。(4Kの1/4の画素数で50Mbpsはソース映像のビットレート以上なので画質低下はリサイズと圧縮方式の違いによるものだけと思われる)
10000kbps/2pass/VeryFast
変換時間7分(録画時間の4.7倍)、等倍表示だと50000kbpsとの違いはそれほど感じない。拡大すると左のふさふさした毛並みが消えつつある。(ビットレート的にはBlu-rayクラスの画質、BDはMPEG2形式で映像ビットレート最大40Mbps、H.264はMPEG2の2倍の圧縮効率があり、H.265はH.264の2倍の圧縮効率があると言われているため 40Mbps÷2÷2=10Mbps=10000kbpsで同程度の画質になると推測)
5000kbps/2pass/VeryFast
変換時間5分30秒(録画時間の3.7倍)、10000kbpsに比べると細かい部分の表現に落ち込みが見られるが注意深く観察しなければ気にならないレベル。
2500kbps/2pass/VeryFast
変換時間5分(録画時間の3.3倍)、動きが速い部分で精細感が無く違和感がある。また全体的に見てもフォーカスが甘くなった感じで、誰が見てもとても綺麗とは言わず、まあまあ綺麗と言うだろう。一般的な視聴ならこの数値以上は必要。(ビットレート的には地デジクラスの画質、地デジはMPEG2で9~13.5Mbpsのビットレートなので、H.265は・・・同上・・・10Mbps÷2÷2=2.5Mbps=2500kbpsで同程度の画質になると推測)
1000kbps/2pass/VeryFast
変換4分30秒(録画時間の3倍)、移動物の輪郭に小さな残像ありフォーカスが甘くなったように見えるが、視聴に不快なレベルでは無いが人に見せれる画質では無い。
500kbps/2pass/VeryFast
変換時間4分(録画時間の2.7倍)、背景など動かない物のもボケて見える、移動物はブロックノイズが目立ち始める。(解像度が違いすぎるが雰囲気的にはワンセグ放送を見ている感じ)
変換テスト3
1Passで変換した場合の比較。
10000kbps/1pass/VeryFast
比較用 2pass
変換時間3分30秒、2passの半分の時間で変換できるが、映像を比べると細部の表現がかなり甘くなっている。
500kbps/1pass/VeryFast
比較用 2Pass
変換時間3分、このフレームで比べるとなぜか1Passの方が綺麗だったが動画全体では2Passの方が綺麗です。
変換テスト4
Presetを最高設定のPlaceboにした場合の比較
10000kbps/2pass/Placebo
比較用 2pass/Veryfast
変換時間3時間25分、Veryfastに比べ細かい部分が鮮明になっている。実際動画で見た場合はそれほど違いを感じる事はなかった。
500kbps/2pass/Placebo
比較用 2pass/Veryfast
変換時間?分(忘れたがかなり長かった)、Veryfastに比べボケて潰れた部分が少なく、細かい部分が確認できる。
参考用のためH.264で圧縮
5000kbps/2pass/Veryfast
比較用のH.265/2500kbps/2pass/Veryfast
変換時間は2分50秒、H.265の2500kbpsと同等品質。
1000kbps/2pass/Veryfast
変換時間2分、映像全体にブロックノイズがあり視聴できる状態では無かった。
感想
・H.265/2Pass/Veryfast/フルHDを圧縮するなら「2500kbps」は最低設定。持ち出し用のコピーなら1000kbpsでもなんとか視聴できる。
・変換するパソコンにもよるが、使える画質を確保するには録画時間の3倍以上の変換時間が必要。
・1Passで2Passと同じ画質を得るにはビットレートを倍に上げる必要があるが、変換時間は差は無いので2Passを使った方が良い。
・Preset設定を高くしても高ビットレートではあまり変化を感じる事ができない、低ビットレートほど画質向上を感じる。
・Preset設定は時間に余裕があれば高い設定にするのが良いが、変換時間に対して画質の向上は少ない。